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英国生まれの作家ジョン・ラッテンバリーは､子供の頃､家族と共にカリフォルニアへ移り住んだ。現在､作品制作に精力を傾ける日々を送っている。
１９８５年に高校を卒業したが､在学中から版画工房で修行を積み､自身のスタイルを確立する基礎を作った。
彼の作品を通して､彼が他の作家の作品では出会えなかった場所を探し求めていることがうかがえる。誰も訪れたことのない非常に美しく穢れのない場所にあこがれ､彼の頭の中はその場所でいっぱいになり､すばらしいやり方で作品を息づかせ､幸運にも我々にその場所をもたらしてくれる。
ラッテンバリーの風景の中には､一見､生きているものが欠けているかのように見えるが､しかしながら瞑想に耽ってみると､生気の欠落は見せかけだけだと気づくだろう。曲がりくねった枝々は､伸びやかに活発に生気を帯びているし､大地を覆っている緑の滑らかで静かな広がりは､生命感がにじみ出ている。計りしれない生命を表している静けさは､分析的思考や詳細な考察を排除して､自然世界観そのものである。
遠くの地平線は聳え立つ山々を招き､岩は窓を形づくり､そして波は円を描く。風景を暴きながら､隠しながら。空は､星のシャワーを吹き流すかのように､見事なオーロラを形づくりながら､見るものを引き寄せる。これらの微妙で洗練された描写により､ラッテンバリーを同時代の作家達とは一線を画した､際立った存在にさせている。
折り重なったこれらの表現方法は､気持ちを沈める効果を生んでいる。その純粋で整然とした空気は､見るものを安心させ､詩的な場所に踏み込んだかのような気持ちにさせる。ラッテンバリーの描く美しく穏やかな世界に出会った者は皆､この気持ちを味わうことができる。
1９８５年、マリン協会賞、アメリカ銀行賞等、数多くの賞を獲得している。アメリカ西海岸を中心に活動しているが､日本でも来日展を果たした経験を持つ。
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